AV1 コーデックとは何か、なぜそれを気にする必要があるのか

Roku と Googleの間の公の確執の中で、AV1 コーデックが論争の主なポイントとして出てきました。伝えられるところによると、Google は帯域幅のコストを削減するために Roku に AV1 をサポートするストリーミングスティックをリリースするよう強制していますが、Roku は消費者のコストが増加すると言って抵抗しています。では、多くの混乱を引き起こしている AV1 コーデックについてはどうなのでしょうか? この記事では、AV1 コーデックとは何か、どこで使用されているか、新しいコーデックが HEVC よりも優れているかどうかについて、わかりやすく説明します。それでは、早速説明に移りましょう。

AV1 コーデックの説明: オンラインストリーミングにとっての意味 (2021)

ここでは、AV1 コーデック、その主な機能、AV1 が HEVC と競合できるかどうかなどについて説明しました。下の表を展開して、クリックするだけで関連セクションに移動できます。

AV1コーデックとは？
AV1 の背後にあるテクノロジー
AOMedia ビデオ 1 (AV1) の仕様
- AV1 プロファイル
- AV1 レベル
AV1 コ��デックは HEVC より優れていますか?
AV1 は現在どこで使用されていますか?

AV1コーデックとは？

AV1 (AOMedia Video 1) は、メディア業界の新しいビデオコーデックであり、その効率性が話題になっています。Alliance for Open Media (AOMedia) — Google、Apple、Facebook、Netflix、Amazon、Mozilla、Samsung、および他の多くの大企業を含むコンソーシアムによって開発されました。このビデオコーデックの主な特徴は、オープンソースでロイヤリティフリーであることです。

AV1 コーデックとは何か、なぜそれを気にする必要があるのか

オンラインメディア配信の世界では、コーデックが非常に重要な役割を果たします。現在、H.264 (MPEG-4) が主要なコーデックであり、H.265 (一般に HEVC として知られています) がそれに続きます。これらのコーデックは両方とも、Samsung、General Electric、Dolby、Nippon Telegraph and Telephone などを中心とするグループによって開発されました。それ以外は、これらのコーデックはロイヤルティを伴う標準であり、ベンダーは交渉済みのライセンス料を支払う必要があります。

ご存知のように、インターネットでのビデオの消費は猛烈なペースで増加しているため、ストリーミング会社は、オンラインメディアの配信にかかる高額なコストを削減するために、ロイヤリティフリーのコーデックを必要としていました。そのため、シリコンバレーの著名な企業が協力して、MPEG-4 に代わるものを提供しました。それ以外では、AV1 コーデックの最も優れた点は、HEVC または H.264 標準よりも効率的であることです。AV1 のパフォーマンスについて説明し、次のセクションで HEVC と比較しました。

AV1 の背後にあるテクノロジー

AV1 コーデックは、Google の VP9 コーデックに基づいています。ただし、エンコーダーのコーディングオプションがさらに追加され、さまざまな種類の入力により適切に適応できるようになります。

エンコーダーが AV1 コーデックでビデオをエンコードする際に使用するプロセスを簡単に説明するために、平易な言葉で説明します。まず、エンコーダはフレームを128×128 または 64×64 ピクセルの同じサイズのブロックに分割します。これらは「スーパーブロック」と呼ばれ、さまざまなパターンに従ってさらに小さなブロックに分割されます。

これらのパターンは、4×4 (再帰)、水平分割 (4:1)、垂直分割 (1:4)、またはもともと VP10 コーデック用に開発された T 字型のパターンにすることができます。次に、これらのパーティションは量子化され、ビットストリームに符号化されます。

デコーダーは、このエンコードされた情報のストリームを取得し、予測、ループフィルタリング、フィルムグレイン合成などを使用して実行し、出力フレームを形成します。

AOMedia ビデオ 1 (AV1) の仕様

AV1 コーデックは現在、120FPSビデオで最大 8K をサポートできます。ただし、より多くのレベルが定義されるにつれて、これは将来的に増加する可能性があります。AV1 コーデック自体には、デコーダー用の 3 つのプロファイルと、2.0 から 6.3 までの複数のデコーダーレベルがあります。

AV1 プロファイル

前述のように、AV1 仕様には、Main、High、Professional の3 つのプロファイルがあります。

メインプロファイルは、8 ビットまたは 10 ビット深度で 4:0:0 (グレースケール) および 4:2:0 (1/4) クロマサンプリングをサポートします。ハイプロファイルは、8 ビットまたは 10 ビット深度で 4:0:0、4:2:0、および 4:4:4 クロマサンプリングをサポートします。一方、Professional プロファイルは 8 ビット、10 ビット、および 12 ビット深度をサポートし、4:2:2 (半分) および 4:4:4 クロマサブサンプリングを追加します。

AV1 レベル

これまでに、AV1 仕様 (2.0 から 6.3 の範囲) 内で合計 14 のレベルが定義されています。これらのレベルは、デコーダーの MaxPicSize、MaxHSize、MaxVSize、デコードレート、ヘッダー、ビットレートなどを指定し、AOMedia Video 1 コーデックでデコードできる解像度を間接的に指定します。

たとえば、レベル 2.0 は 30FPS で 426×240 などの解像度をサポートします。上に移動すると、レベル 4.0 は 30FPS で 1920×1080 (フル HD 解像度) をサポートし、レベル 5.1 は 60FPS で 3840×2160 をサポートし、レベル 6.2 は 120FPS で 7680×4320 (8K) をサポートします。

AV1 コーデックは HEVC より優れていますか?

ビデオコーデックの場合、パフォーマンスを測定できる 2 つの指標があります。品質とビットレートです。ビデオの品質に影響を与えずにビットレートを下げることができれば、非常に優れたデータ圧縮アルゴリズムが得られます。この意味で、AV1 コーデックは、データ圧縮において HEVC よりも 30% 優れています。これは、同じビデオ品質の場合、AV1 コーデックがビットレートを 30% 削減することを意味します。これは、オンラインストリーミング会社にとって大きな低下です。

AV1 コーデックとは何か、なぜそれを気にする必要があるのか

ビットレートが低いということは帯域幅が低いことを意味し、YouTube や Netflix などの企業のサーバーコストが低下します。企業はサーバーに保存するデータ量を減らす必要があり、消費者は高解像度コンテンツを見ている間でもデータを保存できます。HEVC コーデックはオンラインストリーミングのトッププレーヤーではありません。代わりに、その古いバージョンの H.264 と Google の社内 VP9 コーデックがほぼすべての場所で使用されていることに注意してください。H.264 と AV1 を比較すると、その差はさらに広がります。AV1 は、H.264 および VP9 よりもそれぞれ 50% および 25% 優れています。

とはいえ、AV1 に関してすべてがバラ色というわけではなく、Web 全体での採用を妨げている重大な問題が 1 つあります。データ圧縮に関しては AV1 の方がはるかに優れていますが、ビデオのエンコードにかかる時間を見ると、HEVC や H.264 よりもはるかに時間がかかります。基本的に、AV1 コーデックでビデオをエクスポートするには、HEVC/H.264 よりも 2 倍以上の時間がかかります。

これは主に、AV1 コーデックがハードウェアエンコーディングを必要とし、現在、ハードウェアベースの AV1 エンコーディングをサポートするチップがほとんどないためです。一方、HEVC または H.264 は、処理時間を大幅に短縮するハードウェアベースのエンコーディングを利用します。

AV1 コーデックとは何か、なぜそれを気にする必要があるのか

現在、スマートフォンでは、AV1 デコードをサポートする SoC はわずかです。これらには、Dimensity 1000 と Exynos 2100 が含まれます。そのため、ハードウェアベースの AV1 デコードを実行できるスマートフォンはそれほど多くありませんが、数はゆっくりと増えています.

一方、Nvidia と Intel は、AV1 エンコーディングをサポートするハイエンドチップの一部を発表しました。また、AMD も提携して、高速化された AV1 サポートを備えたミッドティアチップを提供します。

AV1 は現在どこで使用されていますか?

AV1 にはハードウェアのデコードに関する問題がありますが、多くのプラットフォーム、デバイス、およびサービスが AV1 コーディングのサポートを開始しています。これは主に、HEVC、H.265、または H.264 でエンコードされたビデオと比較して、AV1 が高品質のコンテンツに必要とするビットレートが大幅に低いためです。現時点で AV1 コーデックをサポートしているデバイス、サービス、およびプラットフォームを見てみましょう。

AV1 をサポートするデバイス

Samsung Galaxy S21 シリーズ (Exynos 2100)
次元 1000
ロクウルトラ
LG 8K テレビ
サムスン 8K テレビ
RTX 30 シリーズグラフィックスカード

さらに、Google は、Android TV を使用するすべてのデバイスに AV1 デコーダーを組み込むことを義務付けています。コンプライアンスの期限は今年の 3 月でした。そのため、AV1 デコードのハードウェアサポートを備えた多くのスマート TV が登場するはずです。

AV1に対応したストリーミングサービス

ネットフリックス
ユーチューブ
ヴィメオ
Twitch (2022/23 に予定)
IQIYI

AV1 をサポートするブラウザ

クローム 70+
オペラ 57+
勇敢
ヴィヴァルディ
Firefox 67 以降
Microsoft Edge (AV1 ビデオ拡張アドオンが必要)

AV1 をサポートするプラットフォーム/オペレーティングシステム

Windows 10 (アドオンが必要)
Linux
Android 10 以降
Chrome OS

注: iPhone、iPad、Mac などの Apple デバイスは、ネイティブで AV1 をサポートしていません。同社は代わりに HEVC をサポートすることを選択しています。

AV1 デコードをサポートするアプリとビデオプレーヤー

VLC
MPV
ポットプレーヤー
Google Duo はビデオ通話に AV1 を使用します

AV1をサポートするビデオ編集ソフトウェア

ダヴィンチ・リゾルブ

結論: AV1 の将来は?

ハードウェアベースの AV1 エンコーディング/デコーディングをサポートするチップセットが増えるにつれて、AV1 の採用はより良くなるでしょう。AV1 がまったく新しい規格であることを忘れてはなりません。開発は 2015 年に開始されたので、大量採用のためには、さらに 2 ～ 3 年待つ必要があります。ARM が AV1 仕様を SoC 設計に統合した後、Google TV を含む Android TV も AV1 のサポートを開始します。

ローエンドおよびミッドティアのチップでさえ、今後数年で AV1 デコードのサポートを開始する予定です。低ビットレート、高品質のストリーミングの未来はそう遠くないようです。では、AV1 コーデックについてどう思いますか? コメントでお知らせください。

Tags: #av1、hevc、メディアコーデック